命日

世紀末ウィーンのエロス伝道大師 グスタフ・クリムト

日付が2月7日に変わってしまいました(汗)昨日2月6日はクリムトの命日。

グスタフ・クリムト(1862-1918)は帝政オーストリア(オーストリア=ハンガリー帝国)を代表する最も偉大な画家のひとりで、妖艶にして甘美な女性をモチーフにした作品を数多く残したことで有名です。とりわけ「ファムファタル(宿命の女)」はクリムトにとって、非常に重要なテーマでもありました。

代表作「接吻」
The_Kiss_-_Gustav_Klimt
1907~08年 Oil / Canvas  180cm✕180cm  オーストリア絵画館

「接吻」は言わずと知れたクリムトの代表作です。
本作品は、1908年ウィーンで開催された総合芸術展「クンストシャウ」に出品されるやいなや大々好評を博しました。と同時にオーストリア政府に即刻買い上げられ、現在もウィーンのベルベデーレ宮殿内にある絵画館に保存・展示されています。
金箔を散りばめた本作品が琳派の影響を強く受けているというのは有名な話ですよね。

崖っぷちで熱い口づけを交わす男女。女性の恍惚な表情とアキレス腱から足の指の先端まで引きつった描写を見れば、彼女がエクスタシー状態なのがよく分かります。「セックス」をテーマにした作品をこれほどロマンティックに描いた画家を私は知りません。
因みにモデルはクリムト本人と彼の恋人エミーリエ・フレーゲと言われています。私もウィーンで何度か本作品を観ましたが、とにかく絢爛豪華、雅にしてエロ美しいです!はい(*^^*)


こちら↓の肖像画のモデルはクリムトの最大のパトロン フェルディナント・ブロッホ=バウワーの妻アデーレ・ブロッホ=バウアー。

「アデーレ・ブロッホ=バウアーの肖像 Ⅰ」
800px-Gustav_Klimt_046
1907年 Oil / Canvas 138cm✕138cm ノイエ・ガレリエ(NY)

元々この作品はナチスによって略奪された後、オーストリア政府所有としてウィーンのベルベデーレ宮殿が保存していたのですが、その後アデーレ・ブロッホ=バウアーの法定相続人(彼女の姪)マリア・アルトマンがオーストリア政府を相手取って、本作品を含むクリムトの絵画5点の返還を求める裁判を起こしました。クリムトの名画を巡る裁判は世界中で注目を集めたのですが、2006年遂にオーストリア法廷による仲裁裁判は、アルトマンにクリムトの絵5点の所有権を認めました。

2006年って、つい最近だよねw(゚o゚)w オオー!

この絵画史上最も感動的な裁判は2015年公開の映画にもなっていますので、機会があれば是非ご覧になって下さい。

「黄金のアデーレ 名画の帰還」




今日の長野地方、よく晴れて気持ちのよい一日でしたが、最高気温が氷点下を上回ることはありませんでした。そうは言っても、雪が降らないのはありがたいです。

北陸地方、とりわけ福井の皆さんには心から大雪のお見舞い申し上げます。

昨日のテオくん。ボサ男の極み

X-T2 with XF18-55mm 55mm F4.0 1/100s ISO2500 Pro-Neg.Std  フラッシュ

ということで、本日トリミングに行ってきました\(^o^)/

X-T2 with XF18-55mm 44.4mm F4.0 1/100s ISO2500 Pro-Neg.Std フラッシュ


P.S.
そういえば、クリムトの没した1918年は帝政オーストリアが終焉した年でもあるのですね。

多い時には15人もの愛人を自宅に住まわせていたという、あまりにも羨まし過ぎる伝説がクリムトには残されています。そんな彼の死は、太陽の沈まない国(所有領土のどこかが必ず昼間)と謳われた欧州随一の名門ハプスブルク家の崩壊を如実に象徴していると言えましょう。象徴主義なだけに…ヾ(--;)ぉぃぉぃ。
偉大な芸術家の冥福を心から祈ります。

それでは皆さん、おやすみなさい~(-_-)zzz

プシュケとアモル

10月13日は私の大好きな彫刻家、アントニオ=カノーヴァ(1757-1822)の命日でした。そして昨日10月14日は同じく大好きな音楽家レナード・バーンスタイン(1918-1990)の命日。

もちろん、活躍した時代が全く違うので二人が立て続けに亡くなった訳ではないのですが、何故かダブルショック的な思いが去来してしまいます。特にバーンスタインの場合は、往年のステージを生で見たことがあるので尚更かもしれません。

アントニオ=カノーヴァ 「アモルの接吻で蘇るプシュケ」 
AntonioCanova_PsycheRevivedByCupidsKiss
ルーブル美術館所蔵

サッカー日本代表の長友選手によって「アモーレ」という言葉が大流行したのは記憶に新しいですが、語源はラテン語のAmor;愛の神(ギリシャ神話のエロス、ローマ神話クピド=キューピッド)からきています。

困難を乗り越えて結ばれる2人の物語「アモルとプシュケ」については、こちらをお読みください。
アモルとプシュケの物語

それまでの流動的で劇場仕立てなバロックから、洗練こそを美とする古典主義への回帰に見事成功したカノーヴァ。新古典主義の旗手と呼ばれるに相応しい作品です。
とか言いながらも、壮大でドラマチックな(要は大袈裟でわざとらしい)バロック芸術が個人的には大好きなのですが…。もしローマへ行かれる機会があるなら、ボルゲーゼ美術館へ行ってジャン・ロレンツォ・ベルニーニ(1598-1680)の彫刻をご覧になると良いでしょう。大理石を用いてクローンレベルで神話の主人公たちを再生せしめた男、それがベルニーニなのです。

バロックの話になるとついつい興奮状態になってしまいますが、そのような時私の頭の中ではいつもこの音楽が流れています。

キャンディード序曲 作曲レナード・バーンスタイン

1899年12月 ロンドン交響楽団

亡くなる一年前、バーンスタイン自らタクトを揮ってる貴重な映像です。
YouTubeって本当にありがたいですね。

というわけで、せっかく快晴の土曜日に感傷的になって家に篭っている場合じゃないですよね。世間ではボブ・ディラン祭りだというのにww

それでは、いつものようにテオくんとお散歩に出掛けてまいります(^.^)/~~~

おまけ。我が家のクピドww
1012テオX7001469
X 70  with  WCL-X70   14mm F11.0 1/170s ISO200 EB +1/3 Pro-Neg.Hi 


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ゴヤ、黒い絵グロいオエ~っ

今日4月16日はスペイン絵画の大巨匠ゴヤの命日です。

私が30代の時の唯一の自慢はゴヤの本名を空で言えることでした(笑) だからと言って特にゴヤが好きだったってことも無かったのですが…。因みに私のスペイン絵画好きな画家ランクは①ベラスケス②ムリーリョ③エル・グレコ(正確には彼はギリシャ人)④ピカソ⑤ダリ⑥ミロ⑦スルバラン…あとはゴヤくらいしか知らない(汗)

本来はRankなんて付けるべきではないですね。

あっ!肝心のゴヤの本名ですが…

フランシスコ・ホセ・デ・ゴヤ・イ・ルシエンティスというのが正式なゴヤの名前です((=゜エ゜=)) 

正直、ゴヤの作品は…苦手です(ノд・。) グスン 最晩年に描かれた黒い絵シリーズの印象が強すぎるのかもしれません。

愛犬とどうしても被ってしまう「砂に埋もれる犬」


1820-23年 146×83cm 油彩/画布 プラド美術館

誰からの助けも能わず、もがき苦しみながら砂に埋もれていく犬。とてもシンプルな絵ですが、これほど痛切でしかも示唆に富んでいる作品を他に知りません。描かれているのはワンコですが、ゴヤが表現したのは我々人間の姿であるのは間違い無いです。
当時、スペイン国内では革命(スペイン立憲革命)が起こっていました。時代は変われど、いかなる紛争・闘争において真っ先に犠牲になるのは我々弱者ですよね。

ワンコのアップ。悲しすぎる(TДT)



黒い絵シリーズは全部で14作品ありますが、はっきり言ってグロです!但し、一見の価値はありますので、機会があれば是非ご覧になってください。

こんなゴヤは大好き\(^o^)/ 「着衣のマヤ」

1798-1803年頃 95×190cm 油彩/画布 プラド美術館

全く関係ないですが、「桜の樹の下のテオくん」。長野の桜もいよいよ散り始めてきました。

随分上から目線だU^ェ^U ワン! 家庭内革命起こすワン!!

0409テオくんX-A15884
X-A1 with Touit 2.8/12  F18.0 1/80s ISO400 Provia


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